賃貸事務所選びの注意点
私は開業と同時に賃貸事務所を借りました。
その後、行政書士事務所とは別に会社も設立し、そちらではシェアオフィス・オープンオフィスや自宅兼事務所を借りている経験から、賃貸事務所選びの注意点についてお伝えします。
事務所物件は意外と少ない
まず、事務所物件は、住居物件に比べて少ないことをお伝えします。
これには色々な理由があるのですが、ここでは物件が少ないため、なかなか理想の物件が見つからない可能性があることを覚えておきましょう。
もちろん、中にはすぐに見つかった人もいますが、都心部の場合が多いようです。
事務所物件を借りる場合は、どの条件を一番に考えるかを明確にするといいでしょう。
例えば、2階以上なのか、または1階なのか、日当たりや方角を優先するのか、何よりも重要な家賃で決めるのか。
すべてが理想通りの物件はなかなかないと考えて、優先順位を決めましょう。
一点、アドバイスを加えるとしたら、やはり料金は重要です。
家賃は固定費です。毎月決まって出て行きます。家賃だけでなく、事務所を借りれば、事務所の水道光熱費も発生し、これも固定費です。
資金が有り余っているなら良いですが、そうでない場合は、最初はできるだけ固定費は抑えることをおすすめします。
私自身が家賃だけでなく、開業資金のほとんどを事務所につぎ込んでしまい、その後の資金繰りが大変だったため、あえて繰り返しお伝えします。
賃貸事務所を借りる時に確認したい点
物件選びの際、つい見逃してしまい、借りた後で問題になる点について、お伝えしておきます。
物件を決定する前にチェックしておきましょう。
- 電話線
スマホや携帯電話しか使わない場合は関係ないかもしれませんが、固定電話やFAX番号を使う場合、電話線が存在するのか、また、切れていないか確認しましょう。
驚くことに、天井裏で電話線が切られていることはよくあることのようです。
私の事務所でも電話線が切られていて、つなぐのにかなり大変でした。
業者の方に、どうして切れているのかを聞いてみたところ、「邪魔だからでしょ」と返って来て驚きました。 - インターネット
インターネットがない環境など、現代社会では考えられません。
ところが、物件によっては、インターネットがちゃんと使えないものもあります。
工事が必要ならまだいいですが、工事ができない物件もあるようです。
特に高速インターネットを望むのであれば、高速インターネットが入る環境にある物件を借りる必要があります。
こだわる方は、最初に聞いておきましょう。
(聞いてもその通りになるとは限りません。念のため) - 電気
私の事務所では、電気代が2種類あります。従量電灯と低圧電力で、事務所仕様の場合、このような契約になっていることもあるようです。
2種類あると、それぞれの料金を払う必要があるので、費用が高くなります。
念のため、確認しておくといいでしょう。 - 看板
看板が設置されている事務所の場合、その分の料金を追加で払うことがあります。
これも私の事務所のケースですが、歩道の上に設置されている看板の場合、道路使用料のような料金が毎月発生するようです。
また、暗くなっても見えるように点灯する看板の場合、その分の電気代も発生します。
細かい点ですが、念のため確認するといいです。 - エアコン
私が借りている事務所は、スケルトンだったため、借りてからエアコンを設置しました。料金については、半分オーナーさんが負担してくれましたが、よく考えてみると、全額負担してもらうこともできたのでは?と思います。
スケルトンで借りる人は少ないと思いますが、修理等も含め、費用負担についてはあらかじめ確認しておきましょう。 - リノベーションできる範囲
事務所を借りると、直したい部分が出て来るかもしれません。
壁紙を替える、玄関のドアを塗り替えるなど、どこまでができる範囲なのか確認しておくといいでしょう。 - 退去時の条件や費用
事務所を借りる際には、退去時のことをつい忘れがちです。
敷金や保証金の扱いはどうなるのか、リノベーションをした場合、また、しなかった場合にも、退去時の原状回復についてはどの程度必要になるのか、しっかり確認しておきましょう。
事務所使用の場合、住居よりも原状回復要件が厳しいかもしれません。
シェアオフィスについて
要件が合えば、複数人にシェアするシェアオフィスで開業することもできるようです。
この場合、色々な形態があるようですが、メリットは、何といってもコスト削減につながる点でしょう。
家賃はもちろん、プリンターやコピー機などを貸してもらえれば、個人で準備しなくて済みますよね。
注意したいのは、たくさんの机を並べたシェアオフィスの場合、いつも他人がそばにいるため、集中できないこともあるかもしれません。
また、仕事が忙しい人、忙しくない人が周りからもわかるため、他人と比較してストレスを溜めてしまうタイプには、向いていないと言えるでしょう。
最初は気の合う同期も、徐々に状況が変わって来るかもしれません。
私は、行政書士ではなく、ひとり会社の方でシェアオフィスを借りていたことがありますが、禁止されているにも関わらず、電話をかけている人や、大きな声で喋っている人たちがいたため、仕切られた空間とは言え、仕事に集中するのは難しいと感じました。
結局、料金は上がりましたが、会社として集中できる事務所物件を借りました。
快適に仕事をするには、どうしてもお金がかかりますね。