開業したばかりの人によく聞かれるのが、料金の決め方です。
行政書士の場合、仕事に対していただくものを報酬と言います。
ここでは、報酬の決め方について解説します！
行政書士の仕事の報酬の決め方
開業したものの、仕事の料金はどうやって決めるんだろう？
行政書士の仕事の料金は、自由に決めて大丈夫です。
と言っても、基準が知りたいですよね。
今日は価格決めのヒントを含め、行政書士の報酬についてお伝えします！
料金の決め方は自由
登録準備中の方や、開業したばかりの行政書士さんからよく聞かれるのが、料金の決め方です。
料金は、自分の好きなように決めていいことになっています。
まずは、料金の考え方について押さえておきましょう。
いつから自由になったのか
行政書士の報酬はいつから自由になったのでしょうか。
行政書士の場合、料金のことを報酬と言うのが一般的です。
報酬というのは、謝礼やお礼という意味になりますが、原則的には料金と同じ扱いです。
士業が先生と呼ばれ、報酬をいただくというのが、これまでの「士業は商人ではない」という歴史を表している気がします。
士業の報酬が自由になったのは、2000年に入ってすぐのことです。
それまでは、報酬基準が定められていました。
これが独占禁止法上問題になるとされ、自由化されました。
実は、価格だけでなく、同時に広告も自由化されました。
2000年までは、士業がホームページを持つことすら邪道とされていたようです。
次の資料に目を通しておくと、流れが把握できると思います。
>>資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方
自由になったというのは、良い時代になったということですね。
報酬を決めるための参考資料
自由と言われると、かえって悩む場合もあります。
私が開業当初に参考にしたのは、日行連から出ている「報酬の統計」資料です。
確か、登録申請後に、書士会から資料をもらったと思います。
日本行政書士会連合会では、5年に1度、報酬額の統計調査を行っています。
最新の資料は、次のページに掲載されています。
>>日本行政書士会連合会：報酬の統計
この資料を見ると、同じ業務でも、価格の幅がとても広いことが分かると思います。
それを知るための資料としても、一度見ておくといいでしょう。
私の場合、この資料で報酬のイメージをつかみました。
次に参考にしたのが、行政書士のホームページに掲載されている料金表です。
私が開業した頃は、まだまだホームページを持っている行政書士が少なかったですが、今は「行政書士 料金」で検索すると、たくさん出て来ます。
ホームページには、報酬額も掲載されているはずです。
同じ地域の行政書士の報酬などを参考にするといいでしょう。
【注意】地域によって違いがあります
注意したいのは、地域によって違いがあることです。
また、ホームページには最低価格を掲載し、料金を追加していく事務所もあります。
行政書士のホームページの料金表は、うのみにせずに、あくまでも参考にすることをおすすめします。
中には、問い合わせをもらうために低い料金を提示している事務所もあるはずです。
注意書きに、「他に実費が必要です」などの書き方をしている事務所もあります。
結局いくらになるのかは、書いていないことも多いです。
報酬を決めるのは、最後は自分
最終的に、料金を決めるのは自分自身です。
行政書士の報酬は、事務所の見やすい場所などに掲示する必要があります。
決めないわけにはいきません。
そこでおすすめなのは、まずはこれくらいかなという料金を決め、掲示します。
その後、依頼を受け、取り組んで行く中で、この料金ではとてもやって行けないと感じたら上げればいいですし、逆に下げることもできます。
この場合、半年、一年などの区切りを決めて、都度見直しをして行くといいでしょう。
開業し、業務に取り組むようになると、地域や同期の行政書士との関わりも出て来るはずです。
その中で、料金をどれくらいにしているのか、聞いてみるといいでしょう。
先輩行政書士と関わることがあれば、直接聞いてみると参考になると思います。
安売りは自分と業界をつぶす
もう１つおすすめなのは、あまり安売りをしないことです。
人は、安いからという理由だけでサービスを選びません。
また、安いだけで選ぶ人は、クレームにつながる可能性も高いかもしれません。
良質なサービスを安売りせずに提供することで、良いお客様に恵まれると私は考えています。
自分がどんなお客様にどんなサービスを提供したいのかを考え、その上で適正な価格を考えて行くことが、正解を導き出すのではないでしょうか。
事務所の行方を決めるとも言える報酬。
ぜひ、じっくり考えてみてくださいね！