行政書士に興味があるけど、試験は難しい?他の資格と比べてどうなの?
今日はそんな疑問にお答えします!
行政書士試験の難易度
行政書士試験に興味を持ったことがある人は、意外とたくさんいます。
その理由のひとつは、どなたでも受けられる資格だからでしょう。
行政書士試験は、国籍、学歴、年齢問わず受験できます。
これは、他の士業と大きく違う点です。
試験範囲は広く、決して簡単な試験ではありません。
他の士業と比べると、初学者でも受験しやすいですが、合格までの勉強はそれなりに大変です。
まずは試験の概要から見ていきましょう。
行政書士試験の概要
行政書士試験は、毎年11月の第2日曜日に実施されます。
試験時間は、午後1時から4時までの3時間です。
試験の内容は、次の通りです。
- 「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。 - 「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題)
政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
法律初学者にとっては、かなり広い範囲で学ぶことになりますが、半年くらい勉強すると、徐々に理解できるようになります!
私も法律初学者で勉強を始めましたが、民法の問題が解けるようになるまで半年かかりました。
科目ごとの問題数、配点は、次の通りです。
1 配 点
試験科目 | 出題形式 | 出題数 | 満点 | |
法令等 | 択一式 | 五肢択一式 | 40問 | 160点 |
多肢選択式 | 3問 | 24点 | ||
記述式 | 3問 | 60点 | ||
計 | 46問 | 244点 | ||
一般知識等 |
択一式 | 五肢択一式 | 14問 | 56点 |
合計 | 60問 | 300点 |
(備考)問題別配点
▽択一式 5肢択一式 1問につき4点
多肢選択式 1問につき8点 空欄(ア~エ)一つにつき2点
▽記述式 1問につき20点
2 合格基準点
次の要件のいずれも満たした者を合格とする。
(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
(2) 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
(3) 試験全体の得点が、180点以上である者
出典:令和3年度行政書士試験合格判定基準
一般社団法人行政書士試験研修センター
試験の公示は、毎年7月の第2週になります。
行政書士試験の合格率
行政書士試験を受けると、どれくらいが合格するんだろう?
ちょっと気になりますよね。
ここ10年の合格率は、次の通りです。
- 平成24年度 9.2%
- 平成25年度 10.1%
- 平成26年度 8.3%
- 平成27年度 13.1%
- 平成28年度 10.0%
- 平成29年度 15.7%
- 平成30年度 12.7%
- 令和元年度 11.5%
- 令和2年度 10.7%
- 令和3年度 11.18%
令和3年度の行政書士試験は、申込者が約7,000人増えたことで話題になりました。
令和3年度の受験者数は、47,870人。
合格者数は、5,353人です。
毎年5,000人くらいの合格者が出ています。
行政書士試験合格に必要な時間
行政書士試験に合格するためには、300点満点中180点が必要です。
180点を目指すためには、法律初学者の場合、1年前から勉強を開始することがおすすめです。
これは、法律初学者だった私の経験ですが、試験からちょうど1年前の11月に資格学校の説明会に参加し、その場で申込みをしました。
そこから試験勉強を開始し、何とか一度で合格することができました。
勉強時間としては、一日3時間くらい。
合計1,000時間強といったところでしょうか。
直前3ヶ月は、一日4時間を毎日勉強に充てました。
会社で働きながらの勉強だったため、通勤時間、ランチタイムはもちろん、帰宅前にフードコートなどで勉強しました。
あえて落ち着かない場所で勉強することで、集中力を養いました!
特に会社勤めや家族との時間を取りながら勉強する場合は、時間を決め、集中し、毎日継続する努力が必要です。
当然、周りの人や家族の協力も必要になります。
私の場合は、会社でも宣言をして、昼休みに1人で勉強する時間を確保しました。
家族にも協力してもらい、試験勉強期間の食事は手抜きで、勉強に集中することができました。
時間の確保と共に、周りの協力が大きな鍵となるはずです。
他資格と比較した難易度
ここまで行政書士試験について見て来ました。
それでは、他の資格と比べて難易度はどうなのでしょうか?
- 宅建士と比較
宅建士の合格率は15%くらいです。
また、問題数も行政書士の方が多いです。
宅建士には記述がないため、わからない問題もとりあえず答えることができます。
この辺りから考え、行政書士の方が難しいと言えるでしょう。 - ファイナンシャルプランナーと比較
FP2級の合格率は50%くらいです。
ここから、行政書士の方が難しいと考えることができそうです。
また、行政書士として相続関係の仕事をする場合、FP2級があると話せることが増えるでしょう。
行政書士と組み合わせて活用できる資格としておすすめです。 - 社労士と比較
社労士の合格率は7%くらいです。
ただし、行政書士試験とは内容が違うため、難しさは人によるかもしれません。
私の周りにも、社労士は合格したけれど、行政書士は不合格だった人もいえれば、行政書士は合格したけれど、社労士は不合格だった人もいます。
また、社労士と行政書士のダブルライセンスもよく聞きます。
仕事の内容も異なるため、ダブルライセンスの人は、どちらかが主業務になる傾向があります。 - 司法書士と比較
司法書士の合格率は3%くらいです。
司法書士は、かなりの難関資格と言えます。
行政書士の次の資格のように考えチャレンジする人もいますが、試験のレベルはだいぶ違うように感じます。 - 中小企業診断士との比較
中小企業診断士の合格率は、2次試験を含めて4%くらいです。
2次試験まであることや、筆記試験を含め口述試験もあることを考えると、行政書士より難しいと言えるでしょう。
司法書士試験同様、行政書士試験合格後、目指す方が多い印象です。