行政書士の開業とは ①開業したら経営者
行政書士資格は、誰でも受験できて、手に入れて登録さえすれば、未経験で開業できる国家資格です。他にはない、素晴らしい資格だと思いませんか?
しかも、副業も可能です!今の時代に合った働き方をするための資格とも言えるでしょう。
この記事では、行政書士の開業の全体像を解説していきます。
開業前に知っておきたいこと
私は40代で行政書士試験に合格し、いきなり開業しました。
何も知らなかったから開業に踏み切れたところもありますが、知らずに開業したせいで、苦労もたくさんしました。
軌道に乗せたいなら、開業とは何をすることなのかを知っておいた方がいいです!
そこで、開業する前に知っておきたい「行政書士で開業するとはどういうことなのか」について解説していきます。
行政書士も開業したら経営者
「行政書士になりたい!」という気持ちで試験勉強をしている人はたくさんいます。
行政書士には一定の仕事があって、行政書士になればその仕事ができるというイメージを持っている人は、想像以上にたくさんいます。
実はこのイメージで開業すると、失敗します。
開業すると、行政書士も個人事業主です。つまり、経営者になります。
それでは行政書士で開業するとはどういうことなのか、どんなマインドが必要なのか、具体的に解説します。
開業とは、お店を出すこと
行政書士試験に合格すると、一定の要件をクリアしていれば、登録後に開業できます。
「書士会に登録=開業」というのが、一般的な考え方ですが、現実的には、登録だけして開業準備をしている人もいます。
書士会に登録するためには、事務所や備品を用意する必要があります。会費も安いとは言えません。登録したからには、その分の費用を回収したいですよね。
ところが、この登録の時点で、何をしたらいいのかわからない人が多いのです。
これは、行政書士開業あるあるかもしれません。
試験合格までには、参考書も問題集も教えてくれる講師もいます。180点という明確な合格点もあります。
ところが開業となると、その本質を誰も何も教えてくれません。
合格後の目標だった開業に踏み切ると、いきなり霧の中に放り出された気持ちになるかもしれません。
わからないと不安になるのは当然です。
ここでは不安を取り払うために、開業のイメージを明確にして行きましょう。
開業とはお店を出すことと考えてください。事務所はお店です。あなたは行政書士としてお店を出します。
そこで何を売りますか?
これが開業のスタートラインです。
行政書士の資格を使い事業を始める
行政書士試験に合格すると、行政書士の資格を手に入れます。
私たちは「行政書士になる」のではなく、「行政書士の資格を使い」事業を始めます。
これが、行政書士の開業です。
手に入れた行政書士の資格をどう使うのか。
資格でどんな事業をつくるのか。
まずはそこから考えていきましょう。
あなたは行政書士事務所というお店を出して、行政書士という資格を使った商品サービスを売り出します。
それは、遺言書の作成かもしれませんし、飲食店の営業許可かもしれません。どんな事業をつくるのかは、扱う業務によって変わって来るでしょう。
つまり、ここで取扱業務や専門業務にしたいものが決まるわけです。
最初はイメージしやすい業務を取り扱うことを考えるといいでしょう。わからないものだと、わかりやすい商品サービスが作れないからです。
また、専門業務は変わって行くものです。
まずは、開業時に取り扱う業務として決めてみるといいでしょう。
私の場合、もともと自分のように会社を辞めて独立する人を応援したいと考え、行政書士試験に挑戦しました。
そこで、開業当初は起業支援として、会社設立や資金調達をやってみようと考えました。
ところが開業一年目に父が突然亡くなり、母の介護が必要になる中で、遺言書の必要性を感じ、遺言書作成を扱い始めました。
取扱業務や専門業務は、少しずつ変わるものだと思います。
仕事は自分で作り、自分で手に入れる
開業前の人から、次のような質問をよく受けます。
仕事はどうやって取るのですか?
仕事をくれる人とは、どうやったら知り合えますか?
仕事をどうやって取るのかは、別の記事でも解説していますが、売上を安定させたいなら「かみやま式5段階フロー」がおすすめです。
かみやま式5段階フロー
- 知ってもらう
- 問い合わせをもらう
- 会ってもらう
- 買ってもらう
- また買ってもらう
上の5つの流れをコツコツ作ることで、少しずつ軌道に乗せることができます。
最初の半年、一年は、作業量が多く、反応が少ないので、心折れる人も多いでしょう。ここで折れずに続けることが、たった1つの成功の秘訣です。
とにかく続けることです!
成果を出すためには、継続しかありません。
まずは、自分や自分の事務所が何をしているのか、知ってもらうための行動を大量にしましょう。
ただし、「あれができます!」「これをやっています!」では、誰も聞いてくれません。
例えば遺言書作成なら、遺言書や相続関連の情報を日々発信することで、必要な人に読んでもらうことができるでしょう。
飲食店の営業許可も同じです。
ネットで調べている人はたくさんいますから、目に留まるようにホームページやSNSで発信することがおすすめです。
最初はなかなか目に留まることも難しいので、SNSやメールにリンクを貼るなどして、読んでもらえるように工夫しましょう。
SNSにリンクを貼る場合は、そのSNSの利用規約などで問題ないかを確認することも忘れずに行ってください。
情報がほしい人がどこにいるのか、日頃何を見ているのか、リサーチも大切です。費用はかかりますが、最初は広告も必要かもしれません。
仕事は自分で作り、自分で手に入れる必要があります。
「どこかに仕事をくれる人はいないかなー」なんて考えていると、詐欺のような営業に引っかかりますので、気をつけてくださいね。
開業したら、経営者です。
自分のお店を出し、資格を生かした商品サービスを作り事業を始める。
このマインドを忘れないでくださいね。